この記事はくるくるワイドFXの始め方を紹介しています。
皆さんはくるくるワイドFXというFXの手法をご存知でしょうか?魚屋って名前のFXトレーダーが編み出した手法で、魚屋さんのブログで手法は公開されていました。相場の方向性に依存せずに利益を上げられる方法として人気が出始め、FXザイなどでも常勝テクニックとして取り上げられました。最近では書籍化もされ、その手法『くるくるワイドFX』が多くの人に認知されるようになりました。
基本的な手法はトラップを用いた両建てですが、複利や固定ポジション、ピンポン、先消しなど魚屋さん独特の細かいテクニックが多数あり、ブログを読んだだけではなかなか理解が難しいです。
そこで、仕事を辞めたいOLでも簡単に『くるくるワイドFX』を始められるように、その手法を分かりやすく説明します。ちなみにFX自体の説明はFX会社の説明をご覧ください。きっとその方が分かりやすいですから。
基本① ロングかショートに本体を立てる
- 直近10年くらいのチャートを見て最安値と最高値を確認
- 中央値(平均値)を調べる
例)USD/JPY(2016/3現在)
最高値 147円
最安値 75円
平均値 111円 - 平均値より現在値が高いならショート、低いならロングでエントリー
- エントリー枚数は以下の式で計算。
【ロングの場合】
全投資可能額 ÷ (現在値ー最安値ー証拠金額)
例)100万円投資可能で現在値が100円、最安値80円、証拠金が5万円の場合
100 ÷ (100-80-5) =4
⇒ 4枚で本体を立てることが出来る
【ショートの場合】
全投資可能額 ÷ (最高値ー現在値ー証拠金額)
例)100万円投資可能で現在値が120円、最安値140円、証拠金が5万円の場合
100 ÷ (140-120-5) =4
⇒ 4枚で本体を立てることが出来る - 出口はドル円の場合、7円程度先にある抵抗線か支持線
基本② 本体と反対方向にトラップトレードを仕掛ける
トラップトレードは機械的に設定します。投資額は本体の半分。
本体の大きさをトラップ1回の大きさで割ると仕掛ける数が分かります。
例)現在値100円 出口107円 7万通貨を本体として投資
⇒ トラップ1回の大きさが1000通貨なら70か所にトラップ設置
⇒ トラップ1回の大きさが500通貨なら140か所にトラップ設置
トラップ幅が狭いほど回転率は上がるので稼げますが、リスクは増加します。
魚屋さんの基本は1000通貨、10銭幅、50銭利益確定です。
とりあえずこの条件で始めておけば問題無いでしょう。
基本③ 本体の半分まで反対方向に進んだら
くるくるワイドの初期状態でのリスクは本体と反対方向に進んでしまうことです。
このリスクを様々な手法を用いて打ち消していくのが、くるくるワイドの特徴です。
本体の半分まで反対方向に進んだら、出口値を下げトラップトレードの範囲も下げます。
例)現在値100円 出口107円の場合(トラップ幅100-107円)
本体の半分までの反対とは、出口までの7円の半分の3.5円分反対に動いた位置。
つまり、100-3.5=96.5円
ここで、仕切り直して新しい出口を設定します。
⇒ 現在値96.5円 出口103.5円 (トラップ幅96.5-103.5円)
この後出口まで到達した場合、出口でトラップトレードの損と本体の利益が一致します。
つまり、±0状態。あとはトラップトレードで得た利益が残ります。
基本④ 本体の半分以上反対方向に進んだら
半分以上反対方向に進んだら、本体をスタートしたエントリー値を中心に現在値と対称な値に出口を設定します。
また、トラップトレードも出口までの距離に応じて計算し直します。
例)現在値100円 出口107円の場合(トラップ幅100-107円)
90円まで下げたとしたら、出口を110円とします。
10銭刻み50銭利益確定だったトラップトレードを広げます。計算式は以下の通りです。
下落額 ÷ (本体本数 ÷ 2)
10円下落 ÷ (7本 ÷ 2) = 0.29円 (29銭)
トラップ幅を10銭から29銭に広げます。利益確定は50銭で変わらず。
トラップ幅は狭めれば回転率が上がり稼ぎが加速しますが、広げれば減速します。
基本はここまで 本当に大事なのはこれから
くるくるワイドFXを解説してくれているサイトは多くあるのですが、どれもここまでは説明してくれています。
しかし、これだけではトラップトレードに反対方向のトレードを加えただけの両建て投資なだけです。
くるくるワイドで本当に大事なのはこれらの初期設定ではなく、どちらに動いても利益を上げられる運用手法です。
複利の考え方
トラップトレードで得た利益を複利として、本体と同じ方向に再投資します。魚屋さんはこれを3つに分けています。
- 攻撃的目安の複利
1-2週間での安値をストップとしたロング - 現実的目安の複利
2ケ月間での安値をストップとしたロング - 非現実的目安の複利
10年での安値をストップとしたロング
トラップトレードで得られた利益はこの3種類の複利に均等に分けられます。例えば3000円得られれば、1000円ずつ3つに分けます。
この3種類の複利はストップまでの距離が異なるので、1本建てるごとに必要な資金が異なります。
現在値を100円とした場合、1本(1000通貨分)の複利を建てるために必要な資金は以下のようになります。
- 攻撃的目安のストップを95円とすると、5000円必要
- 現実的目安のストップを90円とすると、10000円必要
- 非現実的目安のストップを75円とすると、25000円必要
1の攻撃的目安の複利を1本建てるためにはトラップトレードでの利益が15000円を超えないといけません。
複利を一本建てることは、本体が0.1本増えることと同義です。
つまり、複利を立てた分だけトラップを追加することが出来ます。
- 現在値より本体と反対側にトラップを立てると本体のリスクを軽減できます。
- レンジを形成している場合はレンジのトラップを一部2重にすることで攻撃力が増します。
複利を建てることで下落方向へのリスクも軽減できますし、出口到達時には利益を増大することが出来ます。
ヘッジトレードの考え方
初期設定状態では、本体方向の投資額が1とするとトラップトレードは半分の0.5です。
残りの0.5を利用してトラップ方向に10銭利益確定で投資します。ストップ位置は出口です。
例) 現在値100円 出口107円 本体6万通貨ロングの場合
トラップトレードは3万通貨程度になるので、残りの3万通貨を利用してショート方向10銭を狙います。
10銭得られなかったとしても、塩漬けして出口まで放置します。
出口で一括決済すると、本体(1) - トラップトレード(0.5) - 塩漬けヘッジトレード(0.5)で±0です。
狙えるところでは積極的に投資すべきでしょう。
固定ポジションの考え方
ヘッジトレードで得た利益は固定ポジションとして本体と反対方向に再投資します。
ストップ位置は本体を建てたスタート値と出口値の真ん中です。
例)100円スタート 106円出口 ⇒ ストップ位置は103円
投資額の計算は、複利に似ています。
現在値が100円なら103円ストップで3000円で1本(1000通貨)。
現在値が101円なら103円ストップで2000円で1本(1000通貨)が建てられます。
固定ポジションを持つことで本体のリスクを打ち消す効果があります。反対方向への動きに強くなります。
今日のトレード結果
まとめ
もちろんこれだけではありません。得られた固定ポジションや複利を再利用したり、ピンポンというレンジでの投資を行ったり、相場を見ながら出口手前で決済したり(先消し)と書ききれないほどのテクニックがまだまだあります。
くるくるワイドFXのテクニックとは、結局のところ資金管理です。
基本はトラップトレードの両建てなのですが、初期状態で発生しているリスクを時間をかけることでどんどん薄めていき、最終的には利益化して終わることが出来る投資手法になっています。もちろん場合によっては超長期化する可能性もあります。
しかし、裁量で片側方向にギャンブル投資するような投機ではなく、どちらに動いたとしても動きをお金に換えてリスクを潰し続けていく地道な投資です。それゆえファンダメンタルズやチャートテクニカルをほとんど必要としません。必要なのは、資金管理だけです。
両建てをしながら利益を好転させていく作業は楽しいですよ。これまで相場を読むことに集中し、FXに疲れてしまった方に最適な手法です。どちらに動くのかを考えずに、動いたらどうするかを考えるのでストレスも少なく楽ですよ。
さらに詳しい情報は、実際に書籍をご覧になって研究してみてください。
FXくるくるワイド投資術 [ 魚屋 ] |
管理人が愛用しているFX会社
ここからはくるくるワイドFXに最適なFX会社を紹介します。以下の2つのFX会社に関しては本家の魚屋さんも勧めています。くるくるワイドFXで必要なことは1万通貨以下で投資が可能なことと、トラップトレードの管理がしやすいことです。
潤沢な資金があり、本体に70万通貨を設定しながら35万通貨分のトラップトレードを仕掛けられるのなら、他のFX会社でも良いと思います。しかし、よほどのスタート資金がある方しか最低取引額1万通貨で取引しないでしょう。
多くの方は、予算として100万円以下で運用をスタートするのではないでしょうか?
あるいは30万円くらい。10万円でとりあえずトライしようって方もいるでしょう。
このような少額の場合、本体を5万通貨や7万通貨で建てられません。証拠金と直近10年間の最安値(最高値)までの余力を考えると、必要資金が足りないからです。
例えば、現在100円のドル円を1万通貨分ロング方向に建てる場合を考えます。ドル円の最安値75円まで下落することに耐えるためには25万円。さらに証拠金が4万円いるので、合計30万円くらいは必要です。100万円でも3.5万通貨くらいです。
では、資金量10万円の方はくるくるワイドFXでの運用を諦めるべきなんでしょうか?
答えはNOです。くるくるワイドFXは資金量がいくらでも運用を開始できます。
上記の例の場合、ドル円を1000通貨ロングに建てたと考えると、ドル円の最安値75円まで耐える資金量は2万5000円。証拠金は4000円です。合計3万円くらいなので、資金量10万円でも十分に運用可能です。
もちろん1万通貨で運用した場合の利益に比べ、1000通貨で運用した場合の利益は10分の1になってしまいます。しかし、限られた資金の中で着実に運用していくのがくるくるワイドFXです。
- 限られた資金量を使って通貨枚数を抑えてくるくるワイドFX運用。
- 着実に資金が増えて来たら徐々に通貨枚数を増やす。
- 通貨枚数の増加に応じて指数関数的に利益は増加していく。
くるくるワイドFXの投資資金は命金(無くなったら生活出来ないお金)を使わないことが原則です。つまり、余裕資金で行うことが大前提です。余裕資金でないと長期的な視点に立って落ち着いて運用することが精神的に辛くなるからです。
まずは、少額からくるくるワイドFX実践してみて、細かな運用方法が身に付いたら投資資金を増やすのも良いかもしれませんね。
一番のおすすめは SBI FXTRADE
SBI FXTRADEの特徴は、1円、1ドルなど通貨枚数1単位から投資できることです。多くのFX会社は1万通貨が最低ラインです。最近は1000通貨での投資が出来るFX会社や、100通貨での投資が出来るFX会社も増えてきました。しかし、1通貨から投資できるのはSBI FXTRADEと、次に紹介するOANDAだけです。
ドル円1通貨だと証拠金は4円です。もちろん1円の動きで得られる利益も1円です。1万通貨なら1万円ですからね。
私のおすすめの手法としては、本体を5000通貨あたりにしてトラップトレードを100通貨で仕掛ける方法です。
1回のくるくるワイドFXで出口決済額は1万円から2万円程度です。逆行してマイナス運用になっている時も含み損が数千円です。10万円くらいの低資金量の場合でもストレスを少なく運用できるのではないでしょうか。
とりあえずくるくるワイドFXをお試し感覚で始めたい方が、最初に始めやすいFX会社です。スマホ用アプリやPCブラウザからの発注も可能ですが、オススメはパソコン用のアプリです。トラップトレードの注文状態がチャート上に表示されますので、管理がしやすいです。
次におすすめは OANDA JAPAN
OANDA JAPANもSBI FXTRADEと同様1通貨枚数からの投資が可能です。
そして、自動売買のMT4(メタトレーダー)が使用できることが一番の特徴です。MT4はプログラムを作成し実行させることで、自動でFXの売買を行ってくれます。
くるくるワイドFXにおいて自動売買を利用するポイントは、トラップトレードの設定です。トラップトレードを手作業で入力していくのって結構大変です。慣れれば簡単なのですが、10銭刻みで登録していく際に同じ値に2つ入力してしまうなど間違うことも多々あります。
さらに、トラップがヒットした場合、再度同じところにトラップを張り直す作業が必要になります。約定履歴を見ながら再度IFDOCOで注文を入力って面倒だったりします。できれば放ったらかしで運用したいですよね。
そんな場合に最適なのが、OANDA JAPANの提供してくれる自動売買のMT4です。
プログラム自体はくるくるワイドFX本家の魚屋さんが提供してくれているので、少し手を加えれば自分仕様にカスタマイズして利用することが出来ます。トラップトレードの初期注文と貼り直し作業はOANDA JAPANのMT4でサラッと設定しちゃいましょう。